ナギの木は、神社の境内で見かけることが多く、古来より御神木として親しまれています。
「幸せを呼ぶ木」として観葉植物でも人気のナギの木ですが、育て方をご存知でしょうか。
今回は、そんなナギの木の魅力と育て方についてご紹介します。
特徴と魅力
ナギの木は日本に古くからある樹木で神社の御神木としても祀られています。
基本的に暖かい場所に自生しているナギの木は、光沢のある楕円形で葉先が尖った広葉樹のような葉をしていますが
分類上は針葉樹に分類されています。
大きさは20~25mになる巨木で、コンパクトに仕立てた観葉植物としても流通している歴史ある美しい木です。
そんなナギの木ですが、色んな縁起物としても広く知られています。
まず、縦方向にある葉脈葉が横に裂けにくいので”縁が切れない”と繋がり
縁結びや夫婦円満の木としてお守りにもなっています。
また、ナギの木は、平安時代から神が宿る木として大切にされており
災厄を祓うと信じられ、神社の御神木となっています。
名所として知られる、全国の熊野神社の総本社である和歌山県新宮市の速玉(はやたま)大社には
樹齢約1000年のナギの木が鎮座しています。
ナギの木としては日本最大で、天然記念物に指定されています。
熊野古道と同じく世界遺産となっている奈良の春日大社。
ここにはナギの木だけの林があり、天然記念物に指定されています。
そして、ナギの木は海の神として船乗り達からも信仰されてきました。
これには諸説あり、1つは「凪(ナギ)」という読み方から来て居る説。
もう1つは、ナギの木と縁が深い熊野速玉大社が、海の神を奉っている神社だからという説もあります。
漁や航海に出る前に、ナギの葉や実を、お守りとして身につけ、無事に帰って来れる様に願いを込めました。
「幸せを呼ぶ木」の由縁ですね。
ナギの詳細
原産地:日本(紀伊半島・山口県・四国・九州・沖縄)、台湾
学名:Nageia nagi
マキ科:マキ属
常緑です。
育つ環境
ナギの木は、地植えでも鉢でも育ちますが、暖かい所を好みますので日当たりのよい場所で育てましょう。
寒い地方の場合、室外であれば失敗することもありますが、鉢植えで室内であれば育てることは可能です。
重要なのは日当たりなので、よく場所を考えてから種植えをしましょう。
霜さえ降らなければ、ある程度の寒さに耐えることは可能です。
ただし、発芽後1~2年程度しか経っていなければ冬越しが厳しいです。
耐暑性は強いので、できるだけ室外で日光に当てるようにするのが良いでしょう。
観葉植物として室内で育てる場合は、自生しているものよりかなり小さいですが
こちらも日当たりの良い場所であれば問題ありません。
育て方
置き場所
前述でも述べましたが、ナギの木は日当たりの良い場所で育てます。
屋外で地植えする場合は、出来るだけ日当たりの良い場所に植え
室内で育てる場合は、日当たりの良い場所に移動するように意識して育てましょう。
日光がなかなか入らない場合は、植物育成用のLEDを使われてもいいです。
また、室内で締め切った状態で空気の流れがないと鉢の中が蒸れて根腐れの現認なったり、カビや害虫が繁殖する場合がありますので、なるべく風通しを良くしておきましょう。
サーキュレーターなどで風を起こしてあげるのもおススメです
そして、温度管理も気を付けなければなりません。
冬の寒さが厳しい地域で育てる場合は、屋外での生育は難しく枯れてしまう可能性があります。
その為、寒い地域で育てる場合は鉢植えで育て、寒い冬場は室内で育てる必要があります。
水やり
基本的に土が乾いてから、たっぷりと水をあげましょう。
乾燥には強いので、中々枯れることはありません。
逆に、水をやり過ぎると根腐れを起こして枯れてしまう恐れがあるので、注意しましょう。
ナギの木が枯れる原因の多くは、水やりによる根腐れにあります。
屋外で地植えの場合は、水やりは特に必要ありません。
肥料
ナギの木は丈夫な植物ですので、肥料は特に必要ありません。
肥料をあげなくてもしっかりと育ちまが
生育が悪いと感じた場合は、3~6月の間に液体肥料をあげると成長がしっかりとしてきます。
季節ごとの管理と注意点
ナギの木の、1年間の大まかなスケジュールは次の通りです。
・植替え ⇒ 4月~5月頃
・開花 ⇒ 5月~6月頃
・剪定 ⇒ 4月頃
地植えの場合は、最初に日当たりと水はけの良い場所を選んで植え付けしましょう。
しかし、鉢植えの場合は1~2年に1回は植え替えが必要です。
成長してくると根詰まりを起こすからです。
鉢底から根が出てきたり水の吸い込みが良くないときは、一回り大きな鉢に植替えをしましょう。
ナギの木は最大で20~25mまで成長します。
大きく成長した場合、手入れをしなくてもあまり樹形を乱しません。
そのため剪定しなくても大丈夫ですが、もし大きくなりすぎたと感じたら4月頃に剪定しましょう。
鉢植えの場合、地植えのように大きくはなりませんが、剪定してサイズ調整して好みの樹形を楽しむのもいいです。
植替え方法と枯れる主な原因と対策
ナギの木を地植えされる場合は、移植を嫌う植物なので、移動させると中々根付きません。
大きく育つことを想定し、十分スペース確保できる場所を考えて植え付けましょう。
植替えるとなった場合、日当たりの良い場所であれば特に土質は選びません。
苗よりも1~2回り大きな植え穴を掘り、植え付けてください。
掘った土は、腐葉土や堆肥を混ぜて水はけをよくしてから埋め戻すことをおすすめします。
鉢植えの植替え方法は次の通りです。
苗よりも1回り大きな鉢に観葉植物用培養土か草花用培養土を入れ、植え付けます。
植え付けたら、日当たりのよい窓辺や屋外で管理しましょう。
害虫対策
初心者にも育てやすいナギの木は、あまり病害虫の心配があまりない丈夫な植物です。
気になるとすれば、テッポウムシの被害です。
しかし、ナギの木がテッポウムシ被害に合うことは本当に稀です。
室内栽培であれば、大きな心配はいりませんが、もしコバエなど発生した場合は殺虫剤などで対応してください
増やし方
ナギの木は、主に種から増やします。
種をまく時期は10~11月頃の間です。
まず、準備として熟した実を水洗いし、種を取り出しておきます。
種は、赤玉土(小粒)などの清潔な土にまきましょう。
種をまいたら1cmほど土をかぶせ、土が乾かない程度に水やりをして管理すれば翌年の春には発芽します。
花言葉
ナギの木は、花が咲くのですが花言葉は付けられていません。
花言葉の代わりに、縁結びの観葉植物、愛の木と呼ばれて親しまれています。
風水について
風水的にはとても良い意味があります。
古来より御神木として親しまれているナギの木は
風水的にもスピリチュアルなパワーで満ち溢れています。
まず、家相学で用いられる鬼門(東北)・裏鬼門(西南)方位に飾ることで魔除けとなります。
そして、リビングなど人が集まる場所に飾ると、家族の絆がより強まります。
まとめ
ナギの木は、御神木として昔から人々に大切にされてきた木で、
とても縁起の良い木であることが分かりましたね。
とても丈夫で初心者にも育てやすく、観葉植物としては小さめですがリビングに飾っても存在感があります。
今回ご紹介したナギの木の育て方や管理方法を参考に、
「幸せを呼ぶ植物 ナギの木」を育ててみてはいかがでしょうか。