南国の植物というと、一番に頭に浮かぶのは「ヤシの木」ではないでしょうか?
ヤシの木はとても大きく、暖かい南の国の象徴的な植物です。そんなヤシの木を自宅の庭に植えて楽しみたいと考える人もいるかもしれません。
しかし、ヤシの木は暖かい気候の地域に分布している植物であり、寒さにあまり強くない品種が多く、寒暖差のある日本では育てるのは難しいと言えます。
ただし、南国の大きなヤシの木は無理でも、観賞用のヤシの木であれば、日本でも育てることが可能です。
基本的には室内になりますが、沖縄などの暖かい地方であれば、戸外でも育てることができます。
それが小型サイズのヤシである「テーブルヤシ」です。
「テーブルヤシ」というコンパクトなサイズのヤシの木は、園芸店のみならず、雑貨店などでオシャレな鉢植えとしてよく販売されています。
またインターネットでも気軽に購入することができます。
小さいサイズながらも、部屋に置けば、南の国にいるような、あたたかでトロピカルな雰囲気を作り出してくれるのが魅力です。
また、和風、洋風問わず部屋に合う点も人気の理由でしょう。
日本では数種類のテーブルヤシが観葉植物として販売されていますが
その名前の通り、「テーブル」に置いて楽しむのにぴったりのサイズです。
また、濃い緑色の上向きにすっと伸びる葉っぱは、見ているだけで何となく元気になります。
キッチンやデスクの上にちょっと置いておくだけで、癒しの存在になってくれる、そんな植物です。
また、観葉植物は育てているうちにすぐに大きくなってしまい、植え替えが必要になるものも多いですが
「テーブルヤシ」は成長が比較的おだやかなため、育てやすい観葉植物の一つだと言えます。
植物を育てるのが苦手だけど、何かグリーンをおいてみたい、という人にもピッタリの植物です。
観葉植物の中で、「テーブルヤシ」は定番の植物と言えます。カラフルな植木鉢に入れて飾れば
部屋の雰囲気全体が明るくなり、グッとおしゃれになります。
また、他の植物と合わせて寄せ植えにするのもおすすめの植物です。
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テーブルヤシについての詳細
学名
Chamaedorea elegans(チャメドレア・エレガンス)
テーブルヤシが日本に入ってきたのは、1955年ごろで
当時はこのチャメドレアという呼び名も使われていました。
現在の「テーブルヤシ」とは流通名になります。
科名
ヤシ科
ヤシ科は、熱帯地方や亜熱帯でよく目にする「ヤシ」が属するグループになり
暖かい地域に分布する植物が多いですが、テーブルヤシはヤシ科であるものの
耐陰性があり、室内観賞用として育てることができます。
属名
カマエドレア属
カマエドレア属のヤシは、ほとんどが小型で成長が遅いのが特徴です。
原産地
中南米
メキシコからアメリカにかけて存在するヤシのグループに所属する植物です。
育つ環境
置き場所
テーブルヤシの置き場所は、一年を通して暖かい部屋が適しています。
カーテン越しの窓辺に置くとよいでしょう。
またどの観葉植物にも共通することですが、エアコンの風などが当たらない場所に置くようにしましょう。
室内で育てる
テーブルヤシは寒さには強いとされている植物ですが、あまり寒すぎる環境だと、
色があせてしまうことがあるので注意しましょう。
また、耐陰性のある植物ですので、室内で育てやすいです。
風通しのいい場所に置くようにしましょう。
もし、風通しがよくないようでしたら、サーキュレータなどで風を起こしてあげると、元気に育ちやすいです。
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室外で育てる
室外の場合、テーブルヤシは強い光が苦手なので、
半日陰の直接日光が当たらない場所で育てるようにしましょう。
また、風通しのよい場所を選びましょう。
育て方
明るさ
テーブルヤシは基本的に明るい場所で育てましょう。
ただし、夏の直射日光、また夏以外の季節でも強い日差しのある日は、
遮光をするなどして直接、日光が当たらないようにする必要があります。
暗すぎると、葉の艶がなくなってしまい、弱くなってしまうので注意しましょう。
温度
テーブルヤシは暖かい場所で育てるのが向いています。
寒さには弱い特徴があるため、冬越しには、室内で暖かい場所に置くようにするなどしましょう。
霜にあてなければ0℃近くまで耐えると言われてはいますが、5℃程度あるのが理想です。
春夏と同様に美しい緑の葉を保つためには、
寒い冬でも10℃以上の気温がある場所で育てるほうがよいでしょう。
水やり
水やりのやり方は季節によって変わります。
まず、春~秋は土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。
ただし、冬の寒い時期には、水やりは控えめにするべきです。
1週間に1、2回程度でも問題ありません。
また、テーブルヤシの葉にはハダニが発生しやすいので
葉の裏側にも水をふきかけて、ダニの発生を予防するようにしましょう。
肥料
基本的にテーブルヤシは肥料を与えなくても育ちます。
特に冬は成長がおだやかになるため、肥料を与える必要はありません。
肥料は春から秋に与えるようにし肥料の種類はハイポネックスなどの液体肥料を希釈したものもしくは、土に置く化成肥料がおすすめです。
液体肥料は、2週間に1回程度を目安に水やりのさいに水に薄めるとよいです。
化成肥料の場合は、1ヶ月に1回交換してあげましょう
またサイズをあまり大きくしないでコンパクトなサイズを維持した場合は、
肥料をあまり与えすぎないほうがいいです。
季節ごとの管理と注意点
春・夏
春から夏にかけては気温が高いため、テーブルヤシが成長するシーズンになります。
この時期に注意したいのは水やりです。
土が乾いた状態になったら、たっぷりと水を与える必要があります。
また、日差しが強い時期でもあるので、直射日光があたらない場所に置くことも大切です。
秋・冬
涼しくなってくる秋から寒い冬にかけてはテーブルヤシの成長はおだやかになります。
水やりの回数を減らす必要があります。
また、室温が低くなり過ぎると枯れてしまうので
室温が5℃以下になるような場所には置かないようにして
暖かい場所へ移動させるようにしましょう。
植替え
観葉植物の中でテーブルヤシは成長がゆっくり進むため
植替えをしなければいけない頻度は他の植物より少ないと言えます。
おおまかに言えば、2、3年で1度の植替えでも問題ありません。
植替えの時期は5月~6月の間に行うのが最も良いでしょう。
成長して、鉢が小さいと感じたら、ひとまわり大きい鉢に植替えを行います。
植替えした後は、たっぷり水を与えましょう。
ただし、あまり大きすぎる鉢に植替えると、鉢の底に水がたまり
土がいつまでも湿ったままの状態で、根腐れやコバエの発生の原因にもなるので注意が必要です。
枯れる主な原因と対策
気温
テーブルヤシが枯れる主な原因の一つが気温です。
テーブルヤシは特に冬の時期の寒さには弱く、0℃以下になると枯れてしまいます。
また、そういった時期に水をやりすぎるのもよくありません。
特に冬の時期は暖かい場所に移動させるなど対策が必要です。
直射日光
テーブルヤシは直射日光に当たり続けると「葉焼け」で黄色く変色し枯れてしまうことがあります。
美しい葉の色を保つために気温と直射日光には気を配ることが大切です。
カーテン越しの柔らかい日差しにあたる場所に置くとよいでしょう。
害虫対策
テーブルヤシには「カイガラムシ」や「アブラムシ」「ハダニ」といった害虫がつきます。
定期的に霧吹きなどで葉っぱに水分を与えることで害虫の予防になります。
また、害虫は葉の裏側につきやすいので裏側も時々チェックするとよいでしょう。
害虫は乾燥した環境を好むので、葉に霧吹きなどで湿気を与えることが大切です。
もし、害虫を発見したら、初期段階ですは水で洗い流すとよいでしょう。
しかし、なかなか害虫がいなくならないようでしたら、殺虫剤の散布をお勧めします
また、防虫効果もありますので、月に2~3回くらい定期的に殺虫剤の散布をお勧めします
![観葉植物の害虫対策](https://ryokuzen.com/wp-content/uploads/2020/10/1465820_s-320x180.jpg)
増やし方
また、テーブルヤシは株分けをして増やすことも可能です。
テーブルヤシ を取り出したら、根をできるだけ優しく傷つけないように3~4つ程度に分けてそれぞれ鉢に植えます。
その後は、植替えの時と同様、水をたっぷり与えましょう。
花言葉
テーブルヤシの花言葉は「あなたを見守る」です。
テーブルヤシは、その名の通り、テーブルの上で気軽に育てることができる植物です。
生活の中に溶け込んで私たちを見守ってくれているような存在から、
このような花言葉がつけられたのでしょう。
そばにいる人を見守り、元気を与えてくれるような、そんな存在感のある植物です。
ステキな花言葉を持つテーブルヤシは大切な人へのプレゼントにもぴったりです。
風水
テーブルヤシの葉は細かく鋭いのが特徴で、上向きの「気」を出していると言われます。
部屋が明るい雰囲気になり、前向きなやる気を引き出してくれます。
こういった「陽」の気を出してくれる植物は、「悪」の気がたまりやすいトイレなどに置くのにも向いていると言われます。
悪い「気」を取り除くだけでなく、良い「気」もだしてくれるので、玄関や寝室に置くのにも適しています。