マングローブといえば、根本が汽水域に浸かっている個性的な樹木を想像する人が多いと思います。
日本では、沖縄や奄美大島など南国に生息しているなんとも神秘的な樹木。
実は、観葉植物としても注目を集めています。
一体、どうやって育てるのでしょうか。
今回は、観葉植物としてのマングローブについて、その魅力や育て方をご紹介します。
マングローブの特徴と魅力について
マングローブは、熱帯・亜熱帯地域の汽水域に生育している植物の総称で、種類は未確定ながら約110以上あるといわれることもあります。
マングローブが海水で育つのは、海水を分解し水分を放出する能力があるためです。
ほかの植物は海水で育つことができないので、ほかの植物に浸食されることがほとんどありません。
海水でなくても、真水で育てることも可能で、観葉植物としても人気が高まっています。
マングローブは二酸化炭素の吸収と酸素の放出量が他の植物に比べてとても多く
マングローブの根は、放射状に広がり、小さな魚が外敵から侵入しにくいので住み着き繁殖地となっていて
海の生態系を守る植物として、さらに環境を良くしてくれる植物として
近年は植栽が進められています。
マングローブの詳細
原産地:日本・東南アジア・中南米・アフリカ
学名:Bruguiera gymnorrhiza
英名:Mangrove
科名:ヒルギ科、クマツヅラ科、ハマザクロ科など複数存在し、属名も種類によって様々です。
日本では、全部で「5科7種」あり鹿児島県と沖縄県のみに分布しています。
育つ環境
マングローブは、熱帯の地域に生える樹木という印象が強いのではないでしょうか。
しかし前述の通り、近年は観葉植物としても注目を集めています。
観葉植物のマングローブは、根元は太く上部は細いといった形で幼苗が流通しています。
室内で育てる場合
直射日光を好むので、日当たりのよい窓際でレースカーテン越しに置きましょう。
光量が足りない場合は、植物育成用のライトでおぎなってあげてもいでしょう
また、なるべく風通しを良くしてあげましょう。
風通しが悪いと、土が蒸れてしまい、カビが生えて病気の原因になったり、コバエが発生する原因になります。
外出が多くて閉め切っていることが多い場合は、サーキュレーターを使って風を起こしてあげることをお勧めします。
室外で育てる場合
直射日光を好むので、日当たりの良い場所に置きましょう。
ハイドロカルチャーの場合は、夏だと直射日光に長時間当てると水温が高くなり過ぎてしまうので注意しましょう。
秋から冬にかけては、室外で育てていたマングローブは室内へ移しましょう。
育て方
観葉植物としてマングローブを育てる場合、どのように育てるのでしょうか。
明るさと温度
明るい場所・直射日光を好みます。
最低気温が12℃を下回るようなら、室内の暖かいところに移動させましょう。
水やり
マングローブは、水を好む植物です。
根腐れする心配はありません。
土が乾かないよう、常に湿った状態になるように水を与えましょう。
鉢より二回りほど大きい容器に入れ、腰水で育てるといいでしょう。
乾燥しすぎた場合、葉を落としてしまうので注意が必要です。
エアコンで乾燥しやすい時期は、水やりと同時に霧吹きで葉に水を吹きかけて管理しましょう。
肥料
マングローブの苗木は、養分を蓄えているので肥料が必要ありません。
与えると、むしろ生育が悪くなって枯れることがあるので注意してください。
40cm以上に育ったときに葉色の薄さが気になるようなら、
育成期の春から秋の間に観葉植物用の肥料を規定量より薄めて与えます。
土
肥料分を嫌いますので、一般的な培養土は用いません。
清潔な川砂や砂利を用意してください。
その他、ピートモス・鹿沼土・赤玉土・腐葉土なども使えます。
注意したいのが、ピートモスや腐葉土は質が悪いと保湿しないものがあるということです。
また、ネットでマングローブ再培養土という専用の土も販売されています。
季節ごとの管理と注意点
春・夏(4~9月)
直射日光を好む植物なので、室外や日当たりのいい場所で管理しましょう。
このとき、土が乾かないよう注意が必要です。
ハイドロカルチャーの場合は、夏の直射日光に長時間当てると水温が高くなり過ぎてしまうので、
半日は影で管理するなど注意しましょう。
理想的な水温は20~30℃です。
秋・冬(10~3月)
室内の日当たりのよい場所で管理しましょう。
気温は、最低温度12度を下回らないようにしてください。
できるだけ暖かいところで越冬させ、暖かい時間帯に霧吹きで葉水を与えて育てます。
植替え方法と枯れる主な原因と対策
植替えについて
マングローブは、移植に弱いので基本的に植替えはしなくても大丈夫です。
ですが、鉢植えの場合、根詰まりを起こしていたら植替えをしてあげてください。
育成期の5月下旬から7月の間に植替えしましょう。
マングローブは、根鉢を壊されるのを嫌います。
根鉢をできるだけ壊さないよう慎重に、一回りから二回りぐらい大きな鉢に植替えます。
ハイドロカルチャーの場合は、2年に1度くらいを目安に植替えしましょう。
マングローブが枯れる原因と対策
マングローブは繊細です。
ストレスがかかると枯れる原因になるので、育てる環境に気をつけましょう。
頻繁な植替えもストレスとなるので控えてください。
また、肥料を必要とする植物ではないので、肥料の与えすぎも枯れる要因の1つとなります。
害虫対策とマングローブの増やし方
害虫対策
5~9月にカイガラムシがよく発生します。
こまめに竹べらやブラシを用いて駆除する方法や、専門の駆除剤もあります。
カイガラムシを発見したら、マングローブが栄養が吸われて株が弱ってしまわないよう駆除していきましょう。
マングローブの増やし方
マングローブは、種植え・挿し木どちらからでも増やすことができます。
種植えの場合
時期は育成期の5月下旬から7月頃に行うと良いと思います。
種に十分な栄養が含まれているので、肥料を混ぜ込む必要はありません。
川砂にそのまま蒔きます。
ハイドロカルチャーも可能です。
注意したいのが、種の上下を間違えずに植えるということです。
種の上下が分からなくなってしまったら、水に浮かべてみましょう。
浮かべたときに上になった方を上に向けて植えます。
上になった方から芽を出し、下になった方から根を出します。
種を植付けたら、風通しのよい日陰で管理し、水やりをすれば1~2ヶ月で発根・発芽します。
挿し木の場合
挿し木は、気温と湿度が確保できていれば季節は問いません。
手順は簡単です。
1. 親株になるマングローブの枝を、10~15cmの長さに切り取ります。
2. 川砂を育苗ポットやペットボトルなどの容器に入れます。
3. 枝を土に挿しましょう。
4. 土が乾燥しないように毎日水やりをし、15℃以上の明るい場所で管理します。
5. 約2週間経過し、新しい芽が生えたら鉢に植替えましょう。
奄美大島-マングローブカヌー体験
奄美大島のマングローブ林をカヌーで行ってきました。
まずは広めの川からカヌーに乗り進んでいきます。
ここから細い道にの中に入って、マングローブの木々が近くで見れるようになります。
マングローブのトンネルの中です。このあたりは比較的浅めですね
干潮になると、水がなくなるそうです
奄美大島には、主に「オヒルギ」と「メヒルギ」の2種類が自生しています。
こちらが「オヒルギ」です。背が低い場所で枝を伸ばしています。
カヌーでも、葉が触れる場所にあるのは、「オヒルギ」であることが多いです。
「メヒルギ」は上のほうで枝を伸ばします
マングローブの花が咲いてました!
写真は、オヒルギの花です。外側が少し赤身があります
こちらはメヒルギから出ていた種子
もう少し大きくなると、落ちて土の中に刺さり新芽を出します。
台風が来ると、土に刺さらず流されて別の場所で芽を出すこともあるそうです。
カヌーは思ったよりとても簡単にこぐことができ、ひっくり返ることもなくとてお安全に進んで帰ることもできましたし、木の間をすり抜けることもできてすごく楽しい体験でした。
今回は、こちらのツアーに参加させていただきました。
自然に囲まれて、癒されますよ!
マングローブのツアーだけでなく、ジャックと豆の木の由来となった植物や滝を見に行ったりしてとても楽しい体験をさせてもらい、いろんな知識をいただきました。