独特の葉がエキゾチックな雰囲気を演出している観葉植物セローム。
深みのある濃いグリーンで切れ込みが入った大きい葉と、突起の生えた幹が特徴的です。
今回は、そんなセロームの育て方についてご紹介します。
特徴と魅力
セロームは、花を見れることはめったにありませんが、葉だけでも、ボリューム感があり独特の葉形で充分楽しめます。
セロームは別名「愛の木」とも呼ばれています。
他の木に寄り添いながら成長する姿からそう呼ばれています。
そして、「愛の木」とよばれる理由がもう1つ。
それは、フィロデンドロン属という属名にあります。
フィロデンドロンとは、ギリシャ語で「愛する」という意味の「フェレオ」と、「木」という意味の「デンドロン」が合わさったものなんです。
素敵なネーミングですね。
セロームついての詳細
原産地:南ブラジル
学名はPhilodendron selloum(英名:Horsehead philodendron)
科名:サトイモ科
属名:フィロデンドロン属
セロームは、実はサトイモ科なんですね。
育つ環境
セロームは、耐陰性に優れ乾燥にも比較的強くて増殖しやすく、生育も早いです。
外に出していたら気根が土にの中に入って鉢底からも根が張って、プラ鉢が外せなくなりました
1月に撮影した画像ですが、葉がしっかりとついています。
雪が積もる地域は難しいかもしれませんが、慣れれば日本でも年中外で枯れずに育ってます。
置き場所
セロームは明るい場所を好みます。
ですが、直射日光は苦手で葉っぱが焼けてしまうこともあるので、朝方頃にだけ日が当たる明るい半日陰に置くか、レースのカーテン越しで遮光できる場所に置いて育てましょう。
室内で育てる場合
直射日光のあたる窓辺など、明るくて風通しの良い場所に置きます。
エアコンの風が直接当たってしまうと枯れてしまうこともあります。
エアコンの風が当たらないところで、風通しと日当たりの良い場所を見つけましょう。
室内で風通しが悪いと鉢の中が蒸れてしまい、根腐れの原因になったり、害虫発生の原因となりますので、サーキュレーターなどで風を起こしてあげましょう
室外で育てる場合
暖かい季節は、屋外の日当たりの良い場所で育てることが理想です。
午前中は直射日光の当たる場所か寒冷紗などで弱めの遮光をした風通しの良い場所に置きましょう。
日差しがきつければ葉焼けを防ぐ為、遮光率をあげるようにします。
育て方について
それでは、実際にどのように育てるのが良いでしょうか。
明るさ
屋外の明るい日陰や、室内の明るくて日差しが差し込む場所を好みます。
日光不足が続くと垂れ下がって葉柄が折れてしまうこともあるので気を付けましょう。
耐陰性があるので、やや暗い所でも育ちますが、葉色が悪くなることがあります。
温度
直射日光を避けた、5度以上の明るい日陰が育てやすいです。
セロームは、気温が15度を下回り始めると成長がゆっくりとなり、5度以下になれば寒さに負けて枯れてしまいます。
季節の変わり目は、管理にも注意が必要ですね。
水やり
春から秋は、土が乾いてきたら与えるようにします。
冬は、土の表面が乾くと水を与えましょう。
室内管理の場合、葉が乾燥しないようにエアコンの風には注意しましょう。
エアコンがついた部屋で育てているときは、1日2回ほど葉水をすることで乾燥対策になります。
水やりしたとき、葉から水が出ることがあります。
この現象は、セロームが水を吸う力が強いために起こることです。
水が床にたれていたら、その都度拭きとるようにしましょう。
肥料
基本的にはセロームへ肥料を与えなくても問題ありません。
もし与えるならば、植物の成長期でもある5〜10月に、約2ヶ月に1回緩効性化成肥料を置き肥として与えましょう。
また、1週間に1〜2日のピッチで希釈した液体肥料を、霧吹きで樹木全体に吹きかけるとさらに効果的です。
冬に肥料を与えてしまうと、肥料焼けを起こして枯れることもあるので要注意です。
あまりセロームを成長させたくない場合も、肥料は控えておきましょう。
季節ごとの管理と注意点
春・夏(4~9月)
直射日光を避けて明るい日陰で管理しましょう。
基本的に鉢植えを室内に置いて管理しますが、室外でも育ちます。
日光の強さにあわせて30%〜50%の遮光になるようにします。
夏場、40度以上の気温になる場合は、日陰か室内へ移動させましょう。
秋・冬(10~3月)
セロームは、寒さが苦手なので、冬は室内で育てます。
室温を5度以上に保つことで、枯れる心配はほとんどありません。
冬場のエアコン使用は乾燥を招くので、葉水で乾燥を防ぎましょう。
植替えについて
植替えは、セロームの成長期である5月~6月が最適です。
寒い時期に行うと観葉植物が弱るので、避けましょう。
成長に合わせてひと回り大きなサイズの鉢を準備しましょう。
①まず、鉢からセロームをそっと抜きます。
②セロームの鉢底を手で優しくほぐしながら土を取り除きます。
③植替える鉢に鉢底石を入れ、新しい土を敷きます。
④根をほぐしたセロームを入れ、指で土を押しながら根の隙間を埋めるようにして土を足します。
⑤たっぷりお水を与えれば植え替え終了です。
セロームが枯れる原因と対策
基本的には、丈夫な植物なので枯れることはほとんどありません。
ただ、寒さに弱いので冬の管理に注意しましょう。
気温が5℃を下回るところで管理していると、寒さで葉が茶色く枯れてしまいます。
根が生きていたら、また元気な葉が出てきますが、枯らさないように室内の日当たりのいい所ところで越冬させましょう。
害虫対策
葉っぱが乾燥すると、ハダニが発生します。
ハダニは葉の汁液を吸い、すす病の原因となる害虫です。
葉水をしたり、濡れたタオルやティッシュで葉を吹いて予防しましょう。
また、害虫ではありませんが、セロームは軟腐病にも気を付けなければなりません。
サトイモ科の植物に起こりやすい病気です。
軟腐病にかかると、根から茎が柔らかくなり葉っぱは腐って悪臭を放つようになります。
原因は、土の中にいる常在細菌の1つで、一度発症してしまうと株全体に広がるため回復は難しいです。
発覚したら、土から引き抜き根に出来ている子芋を親芋から切り離して、付いている土を水できれいに洗い流して新しい鉢と土に植替えましょう。
植替えの際は、殺菌剤の溶液に30分ほど浸けて殺菌してから植え替えることをおすすめします。
作業時は、ゴム手袋やビニール手袋をし、処置が終わったら手を洗って下さい。
セロームの増やし方
セロームは、挿し木・株分けのどちらからでも増やすことができます。
挿し木の場合
①挿し木する枝は元気の良い新芽を選びましょう。
元気な新芽は、日がよく当たっている部分に多いので、そこから切り口が斜めになるように切ります。
②挿し木する新芽を切り取ったら、水を入れたコップに1時間程度つけます。
③土を鉢に入れ、芽をの半分ほどを挿します。
④土が完全に乾いたら水をたっぷり与えます。
それから、明るい日陰に場所を移しましょう。
⑤枝をしっかり支えられるくらいの根が出たら、鉢に植替えて完了です。
株分けの場合
①根元付近の子株と親株から、それぞれの株に芽がついた茎が残るように切り分けます
鉢から取り出したとき、手でそっと土を取り除いてみて自然と株が分かれている場合は、手で優しく分けましょう。
分かれていなければ、清潔なナイフやはさみで切ります。
そのとき、傷んでいる根や古い根も切っておきます。
②切り取った子株は、切り口を半日から1日ほど日陰で乾燥させます。
③用土を入れた鉢に子株を植替えて完了です。
花言葉
セロームの花言葉は「用心深い人」、「愛の木」です。
内に秘めた情熱を連想させるような言葉ですね。
風水
風水では、爽やかなグリーンの色や葉の形から、観葉植物は悪い気を吸い取り、良い気を呼ぶと言われています。
その中でもセロームは、「自由な発想」「果敢に挑戦」「活発的になる」とされる観葉植物なんですよ。
セロームを飾ると、活力が湧いて自由な発想、考えが柔軟になると言われています。
花言葉や風水での意味合いも大変いいことから、縁起物のプレゼントとしてよく選ばれているセローム。
エキゾチックな雰囲気を作り出してくれるセロームを、あなたも育ててみませんか?
追記:新しい品種「セローム・スーパーアトム」2022年6月
室内で育てやすいように比較的コンパクトになるよう品種改良されたセロームです。
根上りがとてもカッコいい!お気に入りです
セロームなので、とても育てやすいです。