特徴
ユーカリと言えば、「コアラが食べる植物」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、鉢植えや庭に植えられている方も多くおられ、よく見かける親しみのある植物ですね
それだけでなく、切り花としても大変人気があり、生花店でもよく見かけるようになりました。
ユーカリを花束に取り入れるだけで、トレンド感のあるグッとオシャレな印象の花束に仕上がります。
ユーカリの丸みがあってシルバーがかったグリーンの葉は、ハートの形のようにも見えるものもあって、なんともかわいらしい印象です。
1本の枝に多くの葉がついているので花束にボリューム感を出すこともできます。
どんな花とも相性がよく、主役の花を引き立ててくれる名脇役です。
ユーカリの人気の理由は他にもあります。
それは、ドライフラワーになっても美しく楽しめるという点です。
徐々に美しいシルバー色へと変化していき、長く葉っぱの美しさを保つのがユーカリの葉の特徴です。
そして、ユーカリの最大の特徴と言っても良いのが、その香りでしょう。
ユーカリの香りはリラックス効果をもたらしてくれるだけでなく、何と虫よけ効果もあるのです。
ただし、ユーカリには様々な良い面がある反面、毒性があるので注意も必要です。
誤って口にすると食あたりなどを起こしてしまうので、その点は知っておく必要があるでしょう。
またユーカリからはエッセンシャルオイルが採れます。
エッセンシャルオイルが採れるユーカリは種類が限られますが、ユーカリの精油は抗菌・殺菌作用があることでよく知られています。
樹木のフレッシュな香りが強く、気持ちをリフレッシュさせてくれるような香りで、呼吸を楽にする作用や、スキンケアにも効能があり、様々な目的で利用されています。
観賞用としても、また美容や健康面でも利用することができるユーカリは、大変魅力ある植物と言えます。
ユーカリの詳細
学名:Eucalyptus
科名:フトモモ科
属名:ユーカリ属
原産地:オーストラリア
育つ環境
室内で育てる
ユーカリは日光を好む植物です。したがって、室内で育てる場合は、できるだけ日当たりのよい場所に置くのがよいでしょう。
陽の光が差し込む窓辺などがおすすめです。
もし、日当たりが確保しにくい場合は、室内用のLEDで光を補ってあげてもいいです。
室内で、風通しが悪く空気の循環が出来ないと、鉢にカビが発生したり、害虫の発生の原因になりますので、風通しを良くしておくことが大切です。
風通しが悪い場合は、サーキュレーターなどで風を起こしてあげることもおススメです。
室外で育てる
室外でユーカリを育てる場合も、やはり日当たりがよい場所で育てるのがよいでしょう。
また、ユーカリは湿気のある土壌よりは、乾燥気味の土を好むので、水はけのよい状態で育てることをおすすめします。
明るさ
ユーカリは日光を好みますが、夏の気温が高いときに直射日光にあてると早めを起こしますので、その場合は、半日陰に移すか、遮光をしてあげましょう
温度
ユーカリの耐寒性は品種によります。
寒さにあまり強くない「レモンユーカリ」のような品種は、5℃以上の気温が必要で、日本でも冬であれば鉢植えにして室内で育てるのがベストです。
ただ、ユーカリは寒さに強い品種がほとんどで、越冬にはほとんど問題なく、関東よりも南であれば、地植えも可能です。
購入の際、ついているラベルを確認するとよいでしょう。
水やり
ユーカリを育てる場合は、乾燥気味のほうは良いとされています。
「あ、水やりを忘れた!」と焦らなくても問題ありません。
少々水を与えなくても枯れることはありません。
むしろ、水を与えすぎると、根腐りするので注意しましょう。
冬場は水を吸い上げる力が弱くなるので、水やりは控えめにするべきです。
また、夏場は蒸れに注意が必要です。
庭に地植えした場合は、最初の1年目は根が張るまで水やりはしたほうがいいですが、根が定着すれば、水やりの必要はなくなります。
肥料
ユーカリは成育が旺盛で肥料を使わずとも、十分成長する植物です。
鉢植えで育てる場合は、春から秋にかけて緩効性肥料をやる程度で十分です。
肥料のやりすぎると、逆に体調を崩しますので、注意が必要です。
特にユーカリの株自体が弱っている場合は、肥料を与えないほうがよいでしょう。
植え替え
ユーカリの鉢植えは根がつまりやすいので、1年から2年に1回程度の植え替えを行う必要があります。
植え替えの時期は、気候がよくて過ごしやすい春や秋の日に行うのがおすすめです。
真夏や真冬はユーカリの負担になるのでやめておいたほうがよいでしょう。
植え替える時は、ひと回り大きい鉢を用意し、ユーカリの株の根が傷んでいるようであれば、切り落としてから植えるようにしましょう。
また、植え替えた後は、下の穴から水がしっかり出るまでたっぷりと水を与えてください。
害虫対策
ユーカリの葉につきやすいのが、「カイガラムシ」で、乾燥していると、発生しやすいです
白色で動かないので一見すると虫に見えませんが、カメムシの仲間であり、葉に吸汁(きゅうじゅう)加害をもたらします。
カイガラムシの排泄物が病気の原因になるとも言われているので注意が必要です。
予防策としては、風通しを良くして、ユーカリ全体に霧吹きをして葉水をしてあげましょう
「カイガラ」と名前のつく通り、硬い殻に覆われているため、駆除も簡単にはできません、茎についている場合は、歯ブラシでカイガラムシをこすって取り外してあげてください。
葉についている場合は、葉を剪定して新しい葉を出してあげましょう
また、他の植物が近くにある場合は、カイガラムシが移動して繁殖する場合がありますので、鉢を離れた場所に移動してください
時々ユーカリの葉を良く観察して、早めに取り除くようにしてください。
剪定
ユーカリは成長が早く、品種によりますが、1年でなんと1~2mも伸びるものもあります。
したがって、こまめな剪定が必要になります。
伸びすぎて困ってしまう場合は思いきって切ってしまっても問題ありませんが、剪定時期には注意が必要です。
剪定する場合は、春や秋など適温で気候が比較的良い時期にするようにしましょう。
特に、思い切って剪定する場合は、真夏や真冬はユーカリの負担になるので避けるようにしましょう。
増やし方
ユーカリは挿し木をして増やすことができます。
挿し木とは、剪定をした時に切った枝を土に刺し、根づかせることです。
刺した枝がすべて根づくというわけではないので、できるだけ多めに挿し木をするとよいでしょう。
根づいていることが確認できたら、新しく用意した鉢へ植え替えましょう。
ユーカリは種類がたくさん!ユーカリの代表的な種類と特徴
ひとくちにユーカリと言っても実は約500以上もの種類があると言われており、葉の形も種類により異なり、それぞれ特徴があります。
代表的な5種類のユーカリをご紹介します。
ポポラス(マルバユーカリ)
ポポラスはユーカリの中でも葉の形が、かわいらしいハート型をしており、観賞用として大変人気があります。
青みがかったグレーの色もとてもオシャレな印象です。別名を「マルバユーカリ」と呼びます。
一般的に成長が早いユーカリの中では比較的成長が穏やかなほうなので、育てやすく、室内で鉢植えとして育てるのに向いていると言えます
シトリオドラ(レモンユーカリ)
シトリオドラと聞くとあまりなじみがないかもしれませんが、一般的には「レモンユーカリ」と呼ばれ、日本では最も目にすることが多いユーカリです。
その名前の通り、葉からレモンのような香りがし、エッセンシャルオイルやポプリなど香りを楽しむ製品に使われています。
長い葉が特徴的で、鉢植えで育てることができますが、寒さにはあまり強くないため、日本でも冬場は室内で育てるのがよいでしょう。
グニー(コマルバユーカリ)
グニーという品種は葉の一枚一枚が小さく、シルバーっぽい緑色の葉が美しいユーカリです。別名は「コマルバユーカリ」と言い、葉のサイズが小さいのが特徴です。
最近は生花店でもよく販売されており、切り花として部屋に飾っても楽しめます。鉢植えとしも育てやすいので、観賞用としてもとても人気があります。
ラディアータ
ラディアータと呼ばれる品種のユーカリは成長した葉が細長いのが特徴です。
オーストラリアに多く自生しており、他のユーカリのように観賞用として日本で楽しむ人は少ないですが、低刺激なのでエッセンシャルオイルとして利用されています。
爽快感のあるスッキリとした香りのオイルで、ストレスを和らげたり、免疫力を高めたりといった効能があります。
ツキヌキユーカリ
大きな葉に茎が突き抜けた形がとても面白く、人気のあるユーカリが「ツキヌキユーカリ」です。
切り花として花屋さんで見かけることも多いユーカリです。他のユーカリと比較して寒さに強いのが特徴です。
鉢植えにして育てるのもよいでしょう。
鉢植えだけじゃない!ユーカリを室内で飾る方法
切り花として
ユーカリは鉢植えで成長を楽しむのもよいですが、切り花でも様々な楽しみ方ができる植物です。
ユーカリは主役になる花を引き立ててくれる脇役にもなりますし、ユーカリだけを花器に飾っても、とてもオシャレな雰囲気になります。
また、短い枝を小さめの花器やグラスなどにちょっと生けるだけでもステキです。
ドライフラワーとして
ユーカリはドライフラワーにとても適した植物で、初心者でもきれいにドライフラワーにすることができます。
ドライフラワーになる途中も、爽やかな香りが楽しめます。
ドライフラワーにしたユーカリを麻ひもで束ねるだけで、とってもオシャレなスワッグが出来ます。
お部屋や玄関のドアなどに飾るのもおすすめです。
花言葉
ユーカリの花言葉は「再生」「新生」です。
ユーカリと言えばやはりコアラを思い出す人も多いですが、そのコアラがいるオーストラリアに多くのユーカリが生えています。
オーストラリアの乾燥地帯では山火事も多く、ユーカリの生えている森も失われてしまうことが多々あるのです。
しかし、ユーカリは山火事の後も新しい芽を出し、力強く再生していきます。
そのため「再生」や「新生」という花言葉がつけられたと言われています。
風水
ユーカリは「気」の強い植物で、特に玄関に置くと、明るい印象をもたらしてくれます。
また、香りがあるため、疲れた気持ちやストレスを緩和するといった癒しの効果もあるので、
ユーカリのスワッグを飾ったり、鉢植えや庭木として楽しんだりするのは風水学的にもとても良いとされています。