お祝いの贈り物によく用いられる胡蝶蘭。
とても華やかで美しい花ですね。
胡蝶蘭は、実はとても寿命の長い植物で、最長で50年以上も生きるとも言われています。
そんな長寿の胡蝶蘭、お手入れが大変そうで気になりますが、育て方を知ると、実は初心者でも育てやすいことが分かると思います。
今回は、胡蝶蘭について、その魅力や育て方をご紹介します。
特徴と魅力について
胡蝶蘭の名前は、花の形が蝶に似ていることに由来しています。
種類は数万種以上の品種があり、大輪、中輪、小輪系に分かれており、花のカラーバリエーションも白・ピンク・黄色など豊富です。
胡蝶蘭の詳細
原産地:東南アジア
学名:Phalaenopsis(英名:Orchid)
科目:ラン科
属名:コチョウラン属
育つ環境
胡蝶蘭は、東南アジアの熱帯ジャングルの高い木に着生して生育します。
高温多湿で乾季と雨季に分かれる過酷な環境を生きる胡蝶蘭は、湿度70%が最適と言われています。
ですから、日光に当たるのが苦手で、木の隙間からでるほんの少しの光で十分なんです。
室内で育てる場合
室内の場合、窓際の薄いカーテン越しに置きましょう。
花が開花していないときは、半日陰がいいでしょう。
風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。
風通しがあまりない場所だと、成長もなかなかできなく、また土が蒸れやすくなり害虫発生の原因となります。
サーキュレーターなどで風を起こしてあげるのもおすすめです。
また、エアコンの風が直接当たらないようにしましょう。
エアコンの風が長時間直接当たると、乾燥しすぎて害虫発生原因だったり、病気の原因となります。
室外で育てる場合
あまり、室外での管理はおすすめしませんが、外に出す場合は18度を下回らない春や秋がいいでしょう。
冬は、室内に入れて霜があたらないようにしましょう
育て方
胡蝶蘭はとても繊細な植物と言われていますが、どのように育てるのでしょうか。
明るさと温度
直射日光の当たらない明るい室内で育てましょう。
温度は18°C~25℃前後保つようにしましょう。
温度が上がり過ぎると、お花が早くしおれる原因となります。
水やり
水やりの目安は、鉢植えの表面を指で押して水苔の表面が乾いていたら水をあげるようにしましょう。
分かりにくいときは、根本の水苔やバーグを取り除いて根元の乾き具合を確認しても構いません。
季節や管理温度にもよりますが、大体1週間から10日に1度のペースになると思います。
1株ごとにコップ1杯の水をあげましょう。
例えば鉢に3株植えられていたら、コップ3杯の水が必要になり、それぞれ根元に1杯ずつ水やりが必要ということになります。
水は、胡蝶蘭の負担にならないよう室温に近い水温が望ましいです。
肥料
まず、春から秋にかけて、胡蝶蘭の株を見て肥料を与えるかどうかを判断しましょう。
新しい根がしっかり伸びている状態であれば、肥料を与えても問題ありません。
洋ラン用の肥料を使用します。
冬の時期や真夏、また花が開花している時期は肥料は与える必要はありません。
季節ごとの管理と注意点
春・夏(4~9月)
熱帯地域に自生している胡蝶蘭は寒さに弱い植物です。
冷え込むことが多い春先には、直射日光が当たらないカーテン越しの暖かい場所で管理しましょう。
夏は、直射日光の当たらない、風通しの良い場所で管理します。
このとき、エアコンの風が直接胡蝶蘭に当たらないように配慮しましょう。
また、西日にも当たらないよう注意しましょう。
秋・冬(10~3月)
秋は夏同様に、直射日光に当たらない風通しの良い場所で管理します。
まだ、暑くなる日も残っているので気温の上がりすぎにも注意が必要です。
秋から休眠の時期に入りますので、肥料は必要ありません。
胡蝶蘭は寒さに弱い植物なので、気温が15度を下回るときは、温度調整を行いましょう。
このとき、夏同様にエアコンの風が直接当たらないように配慮しましょう。
花が終わった後の処理について
胡蝶蘭の花がすべて咲き終わり枯れてしまったら、2度目の花の開花に挑戦してみましょう。
花がすべて枯れた後、茎の節目を下から2節目か3節目の上部分で切ります。
胡蝶蘭の飼育環境が良ければ、切ったところから次の花芽が出てきて、もう1度花を咲かせることがあります。
(お祝いでいただいた蘭の花が終わって、2節目でカットし、1年ほど室内の明るいところで育てていたら花芽がたくさん着いてきました!)
蝶蘭の花が2度咲き終わった後は着生したり、好きな鉢に植えて飾ったりして葉を楽しむこともおすすめです。
着生させた胡蝶蘭の、野性味あふれる姿も独特で魅力的です。
花が咲かないので処分する、という選択肢もあります。
その場合、胡蝶蘭の鉢は、通常、陶器鉢・株(根と茎)・株を入れてあるビニールポット・茎を支えるワイヤーなどで構成されているので、
不燃物と可燃物に仕分けて廃却することになります。
胡蝶蘭以外の蘭の種類
冒頭にも言いましたが、蘭の種類は非常に多く野生種だけでも約1~3万種もあるとされています。
改良された園芸種をいれるともっと多くの種類が存在します。
同じ蘭でもそれぞれにとても個性的で美しい花を楽しむこともでき
その中から、日本でよく見かける代表的な3種類をご紹介します。
カトレア(カトレヤ)
蘭の中で、1番メジャーな種類の着生蘭はカトレアです。
中央・南アメリカに約30種が自生しています。
樹木や岩肌など栄養が少ない環境でも生きられるように、自ら養分を蓄えて育つ生命力の強い種類になります。
デンドロビウム(デンドロビューム)
熱帯アジアを中心にスリランカやネパール、サモアや日本、そしてニュージーランドなど幅広い範囲で自生している着生蘭です。
高い木の枝の上に根を広げて着生する種類です。
デンドロビウム・ファレノプシス(デンファレ)
デンファレの略称で親しまれている洋蘭です。
オーストラリアからニューギニアにかけて原種が自生しています。
ハワイやタイ、マレーシアなどで多く栽培されています。
白やピンクなどのかわいらしい花は、アレンジしやすいこともあり、切り花で最も使われている種類です。
植替え方法と枯れる主な原因と対策
植替えについて
植替えは、3~5年に1度くらい植え込み資材が劣化したときに行います。
また、鉢より株が大きくなり過ぎてしまっていて、新しい根が下から何本か出てきている場合も植替えましょう。
植替えを行う時期は、4月末~6月です。
手順
まず、根を傷つけないように株を取り出します。
次に、土を丁寧に払いのけ、古いシワシワの根や腐ってしまっている根を付け根から切ります。
【水苔+素焼き鉢の場合】
残った根に苔を巻き付けます。
それから、新しい鉢に植え込んで完成です。
【バーク+プラスチック鉢】
鉢底にバークを敷きます。
鉢の中心に株を置いて、周りにバークを入れたら完成です。
胡蝶蘭が枯れる原因と対策
水のやりすぎによる細菌感染が原因で根腐れを起こすことがあります。
枯れる原因にもなるので、水のやりすぎには注意しましょう。
また、葉焼けすると葉が黒く焦げたように変色し始め色素が抜けたように白くなったりします。
直射日光には当てないように管理しましょう。
症状が出たときは、放置しておくと枯れてしまうので、日陰に移しましょう。
害虫対策と胡蝶蘭の増やし方
害虫対策
胡蝶蘭につく主な害虫は7種類あります。
カイガラムシについて
一度発生してしまうと完全駆除が難しく、胡蝶蘭にとってはたいへん厄介な害虫となります。
爪楊枝のようなもので掻き落とす方法が有効的ですが、葉を傷付けないように慎重に作業しましょう。
白い綿状のフワフワしたものはコナカイガラムシ(ワタカイガラムシ)です。
ガーゼやティシュ、または毛先の柔らかい歯ブラシなどで優しくこすり落とします。
それでもダメなときは、薬剤を使用しましょう。
ハダニについて
高温乾燥時期になると発生しやすいハダニ。
水のやり忘れなどによる乾燥状態は、ハダニの繁殖の原因となるので、霧吹きなどでこまめに葉水をかけるとハダニの防止対策にもなります。
その他にも、スリップス(アザミウマ)やナメクジ、アブラムシなども胡蝶蘭にとっては害虫です。
発見したら、薬剤で対処して胡蝶蘭を守りましょう。
胡蝶蘭の増やし方
胡蝶蘭は株分けで増やすことが可能ですが、他の植物と違って中々難しく難易度高めの株分け作業になります。
株分けには2種類あります。
【高芽を株分け】
株分けは、根が5センチ以上になるまで待ちましょう。
1. 親株から高芽を3~5cmを残して切り離す。
2. あらかじめ吸水しておいた水苔に移動させる。
3. 高芽を水苔で覆い、鉢に植える。
4. 鉢に植えたら、水苔で隙間を埋めていく。
5. 定着をするまで、2週間は水やりをしない。
6. 日当たりがよく、風通しの良いところで管理して完成。
【子株を株分けする】
1. 親株ごと鉢から抜いて、株についている苔を取り除く。
2. 黒く腐ってしまっている根は、消毒済みのハサミで切り取る。
3. 子株を親株から切り離す。
4. あらかじめ吸水しておいた水苔に移動させる。
5. 高芽を水苔で覆い、鉢に植える。
6. 鉢に植えたら、水苔で隙間を埋めていく。
7. 定着をするまで、2週間は水やりをしない。
8. 日当たりがよく、風通しの良いところで管理して完成。
その他、、株がついている胡蝶蘭の場合、挿し木でも増やすことが可能です。
花言葉について
胡蝶蘭には「清純」「幸福が飛んでくる」という花言葉がありますが、色によってそれぞれ違う花言葉もあります。
白の胡蝶蘭の花言葉は「純粋」
ピンクの胡蝶蘭の花言葉「あなたを愛します」
どちらにせよ、花のように可愛らしく清らかなイメージですね。
風水について
風水では、胡蝶蘭と相性のいい方角は北西です。
これは、出世運 ・ 貯蓄運 ・ 社会運 ・ 仕事運 ・ 援助運 などの運気が強い方位です。
北西は、金の気をもつ方位なので、白色、金色、ベージュの色が良いとされています。
なので、白の胡蝶蘭は風水的にはとてもいいですね。
お祝い事には、華やかさがあって、縁起のいい胡蝶蘭を贈られてみてはいかがでしょうか
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