観葉植物の育て方

苔(コケ)の育て方、増やし方について 種類や基礎知識

コケは蘚苔類(せんたいるい)に分類される、陸上で最も原始的な植物で、日本には2500種ほどが生育していて

根っこを持たず、「仮根」というもので、土に活着し体を支えています。

他の植物と同様に光合成をしますが、種ではなく胞子で増えるため、シダ植物に似ています。

苔は、観葉植物ほど場所を取らず、手間がかからないので、忙しい人でも育てやすいです。

苔の特徴

・育てるのに手間がかからない
・成長がゆっくり
・省スペースで育てられる
・強い光を必要としない

育てるのに手間がかからない

苔のお世話は、霧吹きと日光浴くらいで、ほとんど手間がかかりません。

そのため忙しい人でも育てやすく、長く付き合えるため愛着も増すでしょう。

ただし、全くお世話をしないと枯れてしまうので、手間がかからないからといって存在を忘れてしまわないよう、目につく所に置いておくのがポイントです。

成長がゆっくり

成長が遅いので、観葉植物などと比べるとほとんど変化が見られません。

植え替えもあまり必要ないので、のんびり付き合える植物です。

何かに流されることなく、淡々と生きているその姿に癒される人も多いです。

省スペースで育てられる

小さな瓶の中でも生きられるため、机の上に置いたりカウンターに置いたりと、場所を選ばず育てる事ができます。

強い光を必要としない

種類にもよりますが、一般的な観葉植物と比べると陰に強いです。

適度な日当たりは必要ですが、本を読める程度の光量を半日確保できる場所であれば十分育ちます。

育つ環境

置き場所

風通しが良く、適度に日が当たる場所が理想的です。
直射日光や、あまりに風当りの強い場所は乾燥しやすいため避けましょう。

室内で育てる

種類によって必要な日光量は違いますが、少々薄暗くても育てる事ができます。
その場合、週末は屋外に出すなどして、光合成をさせてあげて下さい。
ただ、直射日光に当てると、葉焼けを起こして枯れてしまう場合がありますので、直射日光が当たらない半日陰においてあげるといいです

屋外に出すのが難しければ、ライトの使用がおすすめです。植物用のLEDライトも売られています。
熱がこもらないよう、少し離した場所から光を当てて下さい。

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また、苔は蒸れや乾燥を嫌うため、エアコンの風が直接当たる場所は避けつつ、

蒸れを起こさないために、風通しのいい場所に置いてください。

室内であまり風通しがよくない場合は、サーキュレータなどを使われることをお勧めします。

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窓際に置く場合は、レースのカーテン越し程度の光量が理想的ですが、気温によっては蒸れる心配があるため、温度が上がりすぎないよう注意して下さい。

室外で育てる

苔にとっては屋外で育てる方が良いのですが、置き場所に注意が必要です。

乾燥と温度の上がりすぎに注意して下さい。

直射日光の当たる所は避け、風通しのよい所で育てましょう。

他の植物が木漏れ日を作っているような場所があれば望ましいです。

屋内よりも水やりの回数は増やします。

育て方

明るさ

強い光は必要ありません。弱い光を長時間確保するのが理想的です。

明るい森の中のような環境を再現してやると元気に育つので

屋内で日当たりを確保するのが難しい場合は、植物育成用LEDライトを活用してください

温度

寒さに強い種類は多いですが、総じて暑さに弱いので、気温が30℃を超えるような時は注意が必要です。

逆に0℃を下回り凍ってしまっても生きている可能性がありますので、春まで様子を見守りましょう。焦って急速に温度を上げるより苔が痛みません。

水やり

テラリウムのように容器に蓋がある場合と、蓋なしで育てる場合や、季節などで水やりの頻度は変わります。

蓋のある容器の場合は、四季を通して2~3週間に1度、霧吹きで全体を湿らせるように水やりをします。土にも湿り気を帯びる程度にあげますが、水が溜まったままですとカビの原因になりますので、余分な水分は捨てて下さい。

蓋なし容器の場合、夏は1日2回、冬は2~3日に1回を目安にして下さい。
苔が白っぽくなり、触ってみて水分を感じられない時が水をあげるタイミングです。
蒸れないように、日中の気温が高い時間帯を避けてあげましょう。

水道水だと、カルキやミネラル成分などが入っていて、コケを痛める原因となるといわれています。
苔をきれいに育てるための水もありますので、試してみてください

肥料

肥料はほとんど必要ありません。

育てやすい苔の種類おススメ6選

アラハシラガゴケ


アラハシラガゴケは園芸用に利用される事の多い苔です。

自生地は全国の森。木の根元や岩の上、土の上をマットのように覆って生えています。

乾燥すると葉が白っぽく、白髪のようになるのが名前の由来です。

スナゴケ


スナゴケは、比較的日当たりを好みます。ただ、真夏に常時直射日光に当たると葉焼けを起こし、茶色くなります。

枯れたように見えても、秋から涼しくなって雨が降ると新芽が出てくる場合があります。

岩場に自生する種類なので乾燥に強く、蒸れには弱いです。

星のような葉をしていて、乾燥すると葉が縮みます。

比較的水分を好みますが、常に多湿環境に置いておくと徒長しやすいので、蓋なし容器が向いています。

ヒノキゴケ


檜の幼木に似ていることからヒノキゴケと名づけられました。

背が高いので単体でも見栄えがしますし、寄せ植えする場合は後景に植えるとよく映えます。

湿気を好むので、蓋あり容器に向きます。生長は早めなので、背の高い容器に植え込みましょう。

シッポゴケ


シッポゴケは森に生育する苔です。動物のしっぽのようにフサフサの葉が特徴です。

ヒノキゴケとすごく似ていますが、比べると、葉が暴れていて、乾燥につよいです

生長が早いほうなので、伸びてきたら眉毛用のハサミなどでカットしてやると、

新芽が出てきます。茎の途中から仮根を出すので、カビと間違わないようにして下さい。

ハイゴケ


道の脇や、岩上に這うように自生しています。

日あたりがよくて、湿度がある場所でよく育ちますが、風通しが悪いと群れを起こして枯れてしまいやすいです。

苔の中でも生命力があり、育てることも簡単ですが、

ほかの苔と一緒に植えるとほかの苔を侵食してしまいますので

浸食した場合は、その部分だけ取り除いてあげてください。

ホソバオキナゴケ


ホソバオキナゴケは酸性土を好みますので、寄せ植えする際は同じ酸性を好む植物と一緒にして下さい。

湿り気のある岩場や木の根元に生えている事が多いですが、近年入手が難しくなってきています。

そのため、ホソバオキナゴケとほぼ同じ姿のアラハシラガゴケが代用として使われる事もあります。

枯れる主な原因と対策

【水不足】、【水のやりすぎ】【蒸れ】による【カビ菌】などが苔の枯れる原因になりやすいです。

風通しの良い場所に置き、たっぷり水やりをした後は一旦乾燥させるようにしましょう。

常に湿っている状態は苔に良くないだけでなく、カビの原因にもなります。

水はけと水持ちのバランスが良い赤玉土を用土のベースにしましょう。

カビが出てしまった場合はカビを取り除き、ベンレートなどの殺菌剤を1000倍に薄めたもので殺菌して下さい。

害虫対策

自己採取したものは虫がついている可能性があるので、お店で栽培品を購入する事をお勧めします。

目視で確認できなくても、土に卵がついている場合もあります。

もし見つけたら取り除き、園芸用の殺虫剤を使って駆除します。

殺虫剤は苔へのダメージを防ぐため、苔が湿っていて涼しい時間に使用して下さい。

増やし方

蒔きゴケ

赤玉土をベースにした用土に川砂や腐葉土を混ぜ、バラバラにした苔をまきます。

苔と土が密着するように抑えたら、上から少しだけ土をかぶせます。苔が半分以上見えているぐらいが目安です。

たっぷり水をあげて、保湿と風で飛ばされないために、薄い布などをかぶせておきます。スナゴケなどの丈夫な苔に向く増やし方です。

株分け

苔をバラバラにせず、ある程度の束をそのまま用土に植え付ける増やし方です。

ヒノキゴケは地下茎で増えるので、横に寝かせておいても増えていきます。

用土に植え込み用の穴をあけ、間隔を開けて植え込んだら、上から土をかぶせて水をやります。

乾燥しないようラップなどで覆い、明るい場所に置いておけば、一か月ほどで新芽が出てきます。

張りゴケ

盆栽のように見栄えを保ちながら増やす方法です。

シート状の苔を水分を含んだ用土の上に置き、上からしっかり押さえて密着させます。

用土と苔の間に隙間があると枯れてしまうので、しっかり密着させましょう。

水をかけて普段と同じ世話をします。

手軽に苔を楽しむにはコケテラリウムがおすすめ

自宅で手軽に苔を楽しみたいなら

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瓶の中に、土を敷いて、岩を置いてコケを敷き、小さな森を作ることができるんです

水やりなどの管理も、頻繁にあまり上げる必要がないので、育てるのも簡単なので

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苔の名所【屋久島】の苔をご紹介

屋久島に行った時に撮影した苔になります。
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最後に苔の魅力について

苔の魅力は何と言ってもその癒し効果にあります。

森へ行くと何となく落ち着くというように、人間には本能的に自然と触れ合いたいという欲求があります。

ほんの少しの緑でも、その効果を感じる事はできて、苔だとあまりスペースを確保しなくても、手軽に育てることができてます

苔を育てていると、小さい容器でも森林の香りがするので、視覚と嗅覚どちらからも癒されます。

あまり変化がないように見えますが、水が少ないとカサカサしてきたり、霧吹きで水分を与えてやると嬉しそうに艶を出したりと

育てている人にしか分からない変化を楽しむ事ができるのも魅力的です。

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