ホマロメナは熱帯地方に自生するサトイモの仲間です。観葉植物としてはもちろん、アクアテラリウムやパルダリムのレイアウトにも使用されることの多い植物です。コレクション性も高く近年とても人気が出てきている、ホマロメナの育て方をご紹介します。
ホマロメナについての詳細
学名:Homalomena
科名:サトイモ科
属名:ホマロメナ属
原産地:東南アジア
育つ環境
ホマロメナは熱帯雨林の中に自生し、中には水辺に生えている種類もあります。そのため高温多湿で、明るすぎない場所を好みます。具体的にどのような場所で育てるか解説します。
置き場所
ホマロメナの置き場所は、暖かくて柔らかい光が当たる場所です。耐陰性があり、室内で十分に育てられる半面、直射日光には弱いので注意しましょう。
室内で育てる
室内でそだてる場合は、窓際でカーテン越しの光が当たる場所が適しています。耐陰性があるので、日当たりの良い部屋であれば、部屋の奥のほうでも大丈夫でしょう。また植物用や水草用のLEDを照射するのも効果的です。多湿な環境を好むので、水槽や密閉性の高い容器の中で育てることも可能です。
室外で育てる
半日陰を好み、多湿な環境を好むホマロメナを、室外で育てるのはあまりおすすめできません。
室外で育てる場合はまず、直射日光の当たらない日陰に置きましょう。風通しが良すぎると湿度が足らなくなるので、水槽などの容器に入れるのがおすすめです。ただし小さな容器では温度が上がりやすいので注意が必要です。ある程度スペースが確保できる園芸用の温室を遮光シートで被うなど、細かな調整をしたうえで育てるのをおすすめします。
育て方
ホマロメナは小さなうちや環境の変化があったときはややデリケートですが、一度落ち着けば丈夫で育てやすいです。ホマロメナの育て方を紹介しますので、参考にしてください。
明るさ
ホマロメナは柔らかい光を好むので、レースのカーテン越しの柔らかい光が適しています。また植物用や水草用のLEDでも十分に育ちます。反対に直射日光には弱いので避けてください。直射日光に当たると葉焼けしやすく、弱りやすいです。
温度
ホマロメナは熱帯地方に自生しているので、暖かい環境を好みます。可能であれば25℃前後を維持しましょう。冬場は暖房の効いた部屋か、植物用のヒーターを使用してください。ただし、暖房の風が直接当たると枯れる原因となるので注意が必要です。
水やり
暖かい時期は土の表面が乾いた頃を目安に水やりをしてください。また多湿な環境を好むので、毎日霧吹きで葉水を与えましょう。
気温が下がる冬場は水やりの頻度を少し減らします。ホマロメナの状態を見て、土の表面が乾いて数日経ったくらいのタイミングで水やりをしましょう。冬場でも、葉水は基本的に毎日行ってください。
肥料
緩効性の粒状肥料を植え替え時や生育がスタートする春先に与えましょう。また、月に数回程度、水やりの時に液体肥料を与えるのも効果的です。生育が滞る秋~冬にかけては、肥料は与えなくて大丈夫です。
季節ごとの管理と注意点
熱帯地方に自生しているホマロメナは、日本では季節ごとに管理の仕方を変えなくてはいけません。季節ごとの管理と注意点を紹介します。
春・夏
春から夏はホマロメナの生育期になります。暖かくなってきたら水やりの回数を増やします。暖かい時期は蒸散量が多いので、水切れに注意してください。しかし常に湿っているのも病気の原因となるので注意しましょう。また春になって暖かくなってきたら肥料も与え始めます。
夏場は直射日光と群れには注意しましょう。いくら湿度が高い環境が好きでも、風通しが悪いと蒸れてしまい弱る原因となります。
秋・冬
気温が下がってきたら暖かい環境を用意してください。可能であれば暖房か、園芸用のヒーターで最低でも15℃を維持しましょう。保温が難しい場合は、夜間に段ボールや不織布を被せるなどして、少しでも暖かくしてください。もちろん、屋外で育てている場合は、室内に取り込みましょう。
気温が下がると生育が鈍くなるので、水やりの量も減らします。空気が乾燥しているので、湿度維持のための霧吹きは欠かさないでください。
ホマロメナの種類について
ホマロメナは観葉植物としての歴史はまだまだ浅いので、流通する種類も少ないです。品種名がわからず、採集地の名前だけで流通しているものもあります。今回は比較的流通の多い種類を紹介します。
ホマロメナ・ルベスケンス
ホマロメナ・ルベスケンスは赤い茎にハート形の葉っぱが特徴の種類です。草丈が高く、葉も大きいので、とてもボリュームがあります。1鉢で存在感があるので、シンボルツリーとしてもおすすめです。
ホマロメナ・サンシャインジェム
ホマロメナ・サンシャインジェムは黄緑色の茎と淡いグリーンの葉が特徴の品種です。新葉は黄緑色で、徐々に濃い緑へと移り替わります。成長とともに葉色の変化を楽しめるのも本種の魅力の1つです。
ホマロメナ・セルビー
ホマロメナ・セルビーは淡い迷彩柄が美しい種類です。葉っぱの迷彩柄は1枚1枚模様が違います。また株によって淡い面積が多い、濃い面積が多いなど個体差があるので、お気に入りの株を探すのも楽しいですね。
ホマロメナ・ワリシー
ホマロメナ・ワリシーはコントラストの強い迷彩柄が特徴の種類です。セルビーと比べて迷彩柄がはっきりしていて、いかにもエキゾチックプランツという雰囲気があります。美しい葉色から人気ですが、流通量が少なく、やや高価です。
ホマロメナ・フミリス
ホマロメナ・フミリスはベルベット状で茶色がかかった葉が特徴の種類です。新葉は鮮やかな赤色で、徐々に緑色へと変化していきます。葉色の移り変わりを楽しめるのはもちろん、ここまで鮮やかな赤色の植物も少ないので、インテリア性が高くおすすめです。
植え替え方法
植え替え手順は以下の通りです。
1.元の鉢より一回り大きな鉢に、鉢底石を入れる
2.鉢の1/3まで用土を入れる
3.を抜き、根の周りの土をほぐす。
4.鉢に入れて仮置きし、周りに用土を入れる
5.水やりをする
6.1週間程度、風通しが良い日陰で管理する
枯れる主な原因と対策
ホマロメナが枯れる主な原因と対策を紹介します。ちょっとしたことを意識するだけで、大半の枯れは防げるので参考にしてください。
水不足
ホマロメナは多湿な環境を好むので、水不足により枯れることがあります。
水やりはもちろんのこと、霧吹きも忘れないようにしましょう。毎日の霧吹きができないのであれば、水槽などに入れて、多湿な環境を作ることで改善も可能です。ご自身のライフスタイルや住環境に合わせて調整してください。
根腐れ
ホマロメナは多湿な環境を好みますが、用土が常に湿っているのもよくありません。
用土が常に湿っていると、根が呼吸できなくなり根腐れを起こします。すると水を吸収できなくなり、やがて枯れてしまうのです。水やりは、土の表面が乾いてからするようにしてください。また生育が鈍くなる冬場は、土が乾いて数日経ってから水を与えましょう。
害虫対策
ホマロメナはアブラムシやハダニの被害に遭いやすいです。
アブラムシの予防には、市販の殺虫剤をまくか、スプレー式のものを散布しましょう。
ハダニの予防には定期的な霧吹きが効果的です。葉を流れる水滴と一緒にハダニも流れていきます。いずれにしても小まめに観察をして、万が一被害に気が付いたら早めに殺虫剤を散布してください。
増やし方
ホマロメナの増やし方は株分けが主です。株分けをする場合は、5~7月ころの暖かい時期が適しています。
株分けの方法は以下の通りです。
1.株分けした株に気根が残るようにカットする
2.鉢に植え付ける
3.日陰に置き、用土が乾燥にないように管理する。
4.十分に発根したら、通常の管理に移行する。
まとめ
ホマロメナの育て方について紹介しました。
ホマロメナは全体的にまだまだ流通量が少ない観葉植物ですが、美しい種類が多く人気がとても高いです。湿度さえ保てれば育てやすく、インテリア性も高いので、少し珍しい植物を育ててみたい方には特におすすめです。これから流通量も増えていくと考えられるので、ぜひ機会があれば育ててみてください。