オリーブは主に地中海沿岸で栽培される観葉植物で、丈夫さとおしゃれな見た目から初心者にも人気の観葉植物です。
種類は1000種類以上あると言われ、
果実はオリーブオイルの原料となり、さまざまな食品に使用されています。
またオリーブの葉はドライにすればハーブティーとしても楽しめて、豊富に含まれるポリフェノールは高い美肌や健康効果が期待できます。
なによりも魅力なのはその見た目の美しさです。特徴的な細長い葉には光沢があり、裏面は銀白色で、枝がしなやかなので風に揺れてキラキラと輝きます。
オリーブについての詳細
学名:Olea europaea
科名:モクセイ科
属名:オリーブ属
原産地:地中海沿岸
育つ環境
オリーブは日の光が良く当たり、風通しの良い場所、そして適度に乾燥し、寒暖差が穏やかな気候を好みます。
置き場所
オリーブは短期間であればマイナス10℃程度の気温にも耐えるほど寒さに強いので、環境に慣れれば、寒冷地以外では屋外への地植えやベランダでも十分に育てられます。
室内で育てる
室内で育てる場合はエアコンの風が直接当たらないように注意してください。
日当たりの良い場所に置き、できれば定期的に鉢植えを外に出して日光浴させてあげると良いでしょう。
その場合、真夏の温度が高い日に急に直射日光に当てると、葉焼けを起こしますので、できれば午前中のみ直射日光があたるばしょがおすすめです。
また室内で、風通しが良いところに置くようにしましょう。風通しが悪いと蒸れてしまい害虫発生の原因となります。
サーキュレーターなどで風を起こしてあげてもいいです。
室外で育てる
庭などに地植えする場合は、日当たりがよく、水はけと風通しが良い場所を選びます。
鉢植えする場合は根詰まりに注意が必要です。オリーブは成長が早いので、成長に合わせて一回り大きな鉢に植え替えましょう。
育て方
明るさ
オリーブは日光が大好きですが、植え替え直後などは直射日光が長時間当たる場所は避けましょう。
温度
もっとも生育が良いのは15℃~22℃程度です。耐寒温度は-2℃から-3℃と言われているので、室内で育てている場合でも冬場は注意が必要です。
水やり
基本は土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。
庭などに地植えする場合は定期的な水やりは必要ありませんが、夏場は土が早く乾燥するので、こまめに水やりをします。
オリーブの根は広範囲に広がっているため、株元だけでなく葉が広がっている範囲くらいまでたっぷりと水をあげます。
肥料
オリーブは下記の3回のタイミングで肥料を与えます。
3月:花が咲き始める時期。元肥として油かすなど有機質肥料主体の肥料を与えます。
6月:果実が増える時期。追肥として速効性の化成肥料を与えます。
10月:果実を収穫した後。お礼肥として速効性の化成肥料を与えます。
注意点:
肥料をあげすぎると肥料焼けを起こし、枯れてしまうことがあります。
特に冬場はオリーブの生育がゆっくりになるため、肥料は与えないようにします。
季節ごとの管理と注意点
春
3月末頃までに大きな枝の剪定を行います。放置すると8m以上になることもあるので、2~2.5mくらいになるように管理しましょう。樹木が成長を始めるこの時期に元肥を与えます。
夏
梅雨の時期は気温や湿度が高くなるため病害虫が発生します。水はけに問題がないか注意しましょう。
梅雨明け後は猛暑で水が不足しないよう、しっかりと水やりを行います。
秋
秋は果実の収穫の時期です。漬物用、オイル搾取用など、用途によって収穫するタイミングは変わります。収穫後はお礼肥を施します。
冬
気温が下がりオリーブも休眠期に入るため、鉢植えの場合水やりは週に一回程度で十分、地植えの場合水やりはなくても大丈夫です。
オリーブが実をつけるためのコツは
オリーブが実をつけるためには、違う種類のオリーブを2本以上植え、受粉させる必要があります。開花期が近い品種を選ぶのがポイントです。
植える位置が遠すぎると受粉しないし、近すぎると成長したときに葉が重なって生育が悪くなってしまうことがあります。
片方を地植えにし、もう片方を鉢植えにすると成長に合わせて場所を調整できるので便利です。
ある程度の寒さがないとオリーブは花や果実をつけないので、冬場は気温が10℃以下になるような場所で管理しましょう。
オリーブの種類
オリーブは実は様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは代表的な人気のオリーブの種類をご紹介いたします。
マンザニロ
主な産地:スペイン
自家結実性:なし
樹形:開張型
実:大型
世界で最も多く栽培されている代表品種。葉は小さめで実つきは良く、収穫しやすい品種です。
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ミッション
主な産地:アメリカ
自家結実性:なし
樹形:直立型
実:中型
オリーブの代表品種。寒さに比較的強く、樹形がバランス良く生長します。果実はハート型をしています。
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シプレッシーノ(チプレッシーノ)
主な産地:イタリア
自家結実性:あり
樹形:直立型
実:小~中型
初心者にもおすすめの品種です。スリムな樹形で栽培しやすく病気にも強いという特徴があります。
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ルッカ
主な産地:アメリカ
自家結実性:あり
樹形:開張型
実:小~中型
果実は小さいけどオイルの含有量が多く、比較的寒さにも強いのが特徴です。
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レッチーノ
主な原産地:イタリア
自家結実性:多少あり
樹形:開張型
実:中型
世界中で栽培される代表品種。寒さにも強く栽培しやすい品種です。
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植替え
オリーブの植え替えに最適な時期は3〜5月です。
根詰まりを解消して通気をよくするため、2〜3年に1回は植え替えを行います。
植え替えのサインは下記の通り。
・木が大きくなってきて鉢が狭そう
・鉢の下から根が出ている
・水を上げても土に浸透していかない
根を傷つけないように注意しながら植え替えを行いましょう。
植え替え後一週間程度は強い風の当たらない明るい日陰で管理します。
枯れる主な原因と対策
丈夫なオリーブですが、適切な管理ができていないと枯れる原因となってしまいます。
水をやりすぎ、または水やり不足
土の状態をよく観察し、表面が乾いてからあげるということを徹底します。
日光不足
地植えの場合でも日当たりが悪い場合は、日当たりが良い場所に植え替えをします。
肥料をあげすぎている
肥料を与える時期と適切な量を確認しましょう。
病害虫対策
オリーブに見られる主な病気や害虫は下記の通りです。
病気
炭疽病(たんそびょう):カビが原因の病気です。
葉に黒や灰色のカビの斑点が発生し、進行すれば葉に穴が開いて葉先から枯れ落ちてしまいます。
長雨の時期や高温多湿の状態が続くと発生しやすく、放置しておくとどんどん広がってしまうため、早期に発見し対応することが必要です。
予防法
日当たりを良くし、弱った枝や不要な枝は適切に剪定することで風通しを良くします。
カビが発生しづらいように水はけを良くすることも効果的です。
害虫
オリーブアナアキゾウムシ:オリーブの天敵です。
オリーブアナアキゾウムシの成虫は樹皮の内部に卵を産みつけます。
ふ化した幼虫はそこから内部を食い荒らし、発見が遅れると樹木が枯れてしまうこともあります。
幼虫は木のおがくずのようなフンをするので、株元におがくず状の木くずが落ちてればオリーブアナアキゾウムシが発生しています。
対策
1.適切な剪定を行う
オリーブアナアキゾウムシはジメジメした環境を好むため、剪定をして日当たりと風通しを良くします。
2.定期的に薬剤を散布する
実や葉にかからないように注意します。
果実を収穫する場合は、収穫の1ヶ月前からは薬剤の使用を控えましょう。
3.周囲の枯れ葉などをとり除いてきれいにする
枯れ葉や雑草の陰などは絶好の隠れ家となってしまうので、取り除いてきれいにしておきます。
ハマキムシ:ハマキガ科のガの幼虫です。体長1~2㎝ほどですが成長と共に被害は拡大します。
白い綿状の糸で葉巻のように葉っぱを巻いて中に隠れるため薬剤が効きにくいことがあります。
対策:巻かれた葉を発見したら、その葉や枝ごと切り取って捨てましょう。
増やし方
オリーブは挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は6月から7月です。
手順は下記のとおり。
①コップなどに水をためておく
②若い枝を清潔なハサミなどで10〜15cm程度カットする。切り口は斜めになるようにする。
②カットした枝を水につけて数時間程度おく
③鉢の土を湿らせて、植える場所に割り箸などで穴をあける。
④カットした枝の水気をとり、切り口に発根促進剤を塗る。
⑤穴をあけた場所に枝を植える。
⑥直射日光の当たらない半日陰で管理し、土が乾かないように水やりをする
風水
オリーブはその強い生命力から風水的には「成長」や「発展」という効果があるとされ、神聖な木とされているので邪気を払う効果も期待できます。
そのため、風水的にはオリーブは玄関に置くのが良いと言われています。
オリーブの枝などで作ったリースを飾るのも良いかもしれませんね。
花言葉
オリーブの花言葉は「平和」と「知恵」です。旧約聖書やギリシャ神話に由来しており、遠い昔から人々に愛されてきたことを示しています。
幸せを呼ぶ木とも呼ばれるオリーブの木は、特別な記念日などの贈り物にも人気です。