観葉植物をコレクションする中で、ぜひとも選んでいただきたいのが、ポリシャスです。
和名をタイワンモミジといい、台湾では「富貴樹」と呼ばれる縁起物です。
ほのかに葉には芳香を持つ品種もあり、原種は8mまで生長する中高木です。
ホームセンターや園芸店、運が良ければ100均一でも見かけることができます。
小さな苗木であっても、環境や管理が良ければ、ぐんぐん育ってくれます。
今回は、ポリシャスの育て方や種類について記載いたします。
ポリシャスの詳細について
学名:Polyscias
科名:ウコギ科
属名:ポリシャス(ポリスキアス属)
原産地:アフリカ、ポリネシア~インド
育つ環境
置き場所
室内で育てる
室内で育てる場合は、明るい場所を選びます。
日陰でも育たないことはありませんが、株が貧弱になり、病害虫にかかりやすくなります。
直射日光は避け、明るい窓辺や、自然光の入りやすいところに置きましょう。
室外で育てる
春から秋の生長期は戸外で育てても大丈夫ですが、気温が下がる頃になったら、室外に入れてください。
寒さに弱い性質を持っているためです。
育て方
明るさ
できるだけ自然光の入る場所に置くなど、明るさは重視します。
暗い場所に長期間、置いていると株が弱くなりやすいので、部屋の隅などに置いている場合は、日中、明るい日陰に出しておくと良いでしょう。
暗い場所から急に太陽光の下などに置いてしまうと、葉焼けを起こすことがあります。
温度
冬越しには注意を払いたいので、最低でも10℃くらいは保てる場所に取り込んだり、置いたりしてください。
5℃ほどあれば大丈夫とされていることもありますが
できるだけ、10℃ほど保てるように、夜間は段ボール箱を被せたり、鉢を二重にするなどの対策を行いましょう。
水やり
春から秋の生長期にかけて、水切れがないように、しっかり水やりをします。
乾燥すると根を傷めてしまうので、鉢を持ち上げたり、実際に鉢土の表面を触ったりして、鉢の中が乾燥していないか、チェックしてください。
水やりは鉢底から水が出てくるまで、しっかりと行います。サッサと終わらせてしまうと、鉢の中の古い空気が溜まったままになり、根が新鮮な空気を取り込めません。
また、水やりが面倒だからと毎日決まった時間に与える、といったようなことも避けます。
その日の気温・湿度、株の生育状態などによって、鉢内の水分量は変化します。
水の与えすぎは、かえって、根を傷めることになるので、よく確認するようにしましょう。
もし、水やりの感覚がうまくつかめないとなれば、害虫予防のためにも、葉水を行うようにしてください。
葉の表面はもちろん、葉の裏にも霧吹きをしましょう。
肥料
生育状態にもよりますが、5月頃から9月頃までの生育期には、2か月に一回、緩効性肥料を与えます。
有機肥料であれば、室内管理の場合、コバエなどの虫が発生しやすくなります。虫類が嫌な場合は、無機肥料を施すようにしましょう。
緩効性肥料と併用して、水やり代わりに液体肥料を与える方法もあります。
液体肥料は即効性があるので、生育状態が良い株には効果が得やすくなります。
しかし、弱った株に元気を取り戻させたいといって液体肥料を与えてしまうのは、かえって株を弱らせてしまうことになります。
弱った株があれば、まずは風通しの良い場所に移し、水やりを行う、土の配合の見直しなどを考えましょう。
季節ごとの管理
春・夏
ポリシャスの生育期に入ります。
鉢の中が乾燥してしまわないように、水やりを忘れないようにしてください。
日射しが強くなると葉焼けを起こすこともあるので、寒冷紗の設置、置き場所の変更などに気を配ります。
秋・冬
気温差が出てくる季節は、冬越しの準備に入る頃です。
春から夏の間にしっかりと生長した株なら心配いりませんが、そうではない株の場合は、冬越しができるように、株の様子を観察します。
冬の間は、水やりはほとんど不要です。ただ、晴れた日は気温が低くなければ、明るい日陰に出し、葉水を行います。
生育も緩慢、もしくは止まる時期なので肥料は与えないようにしてください。
ポリシャスの種類
バルフォリアナ・マルギナタ
愛らしい丸い葉は斑入りで、男女問わず人気ですが、特に女性に好まれます。グリーンとホワイトの色合いがインテリア向きです。
バルフォリアナ・ペノッキー
細く白い斑入りの葉が涼やかな印象を持つポリシャスです。
ポリシャス・フィリキフォリア
植替え
鉢の底から根が出ていたら、植替えの合図です。
水はけの良い配合用土を準備して、二回りほど大きな鉢に植え替えます。
適した季節は5月から9月頃とされていますが、できれば、猛暑になるまで、8月上旬までには行っておきたい管理の一つです。
植え替えたら、株が落ち着くまで、明るい日陰に置き、水やりは鉢が軽くなってから行いましょう。
枯れる主な原因と対策
ポリシャスが枯れてしまう主な原因は、水の不足、害虫による弱体化があります。
水やりはできるだけ、こまめに行い、忙しくても葉水だけは与えるようにします。
害虫は、空気の循環が悪くなると発生しやすくなります。湿度が不足しても、ハダニやカイガラムシがつきやすくなるので、やはり、葉水を定期的に行います。
日頃の管理が大切になります。少なくとも、1日に一回は植物を観察するようにしましょう。
害虫対策
新鮮な空気が回せるように、その空間を意識的に作ることが害虫対策につながります。
しかし、それでも厄介なことにカイガラムシはどこからともなくやってきて、ポリシャスの葉の裏やくぼみなどにつくことがあります。
市販の薬剤等を使って、あらかじめ、予防として薬剤散布を行っておくことも対策になります。
増やし方
挿し木で増やすことができます。
順調に生育すると、枝葉が混みあうので、剪定し、その時に切ったものを挿し木にすると良いでしょう。剪定に適した時期は5月頃です。
発根促進剤を使うと、早く根が出てきます。挿し木に使う用土は、市販の挿し木用のもの、鹿沼土が良いでしょう。明るい日陰で、新芽が確認できるまで、よく観察します。新芽が確認できたら、ポリポットや小さめの鉢に鉢上げします。
剪定した挿し芽は、水耕栽培でも発根まで楽しむことができます。
花言葉
ポリシャスの花言葉は、「大切な思い出」です。
風水
ポリシャスには、厄除け、悪い気を浄化する効果があり、幸運を運ぶともいわれています。